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No.468 平成23年4月
 
  
『オジいサン』
『採れたて、糸島 
     -食のつくり手を訪ねて-』
京極 夏彦/著  中央公論新社

 益子徳一、72歳、独身。徳一はいつもと変わらない日常を淡々と過ごす独居老人である。
 「オジいサン」と呼ばれたのはいつだったかを必死に思い出そうとする朝、週に一度の買い物、試食して欲しくもないのに買ってしまったソーセージを使った料理、地デジ対応テレビを勧めてくる田中電気の二代目…。
 何気ない日々だけれど、いつもいろいろな事を真面目に考えている「オジいサン」。
 最後にちょっとホロリとしてしまう、徳一のとある一週間を描いた物。

 (S・S)

吉村真理子/著  書肆侃々房

 福岡の中心地・天神から車で40分という近さでありながら、海あり山ありと自然に恵まれている糸島半島。フリーライターである著者は、大学入学と同時に糸島に引越して来ました。
 本書に紹介されているのは、豆腐や干物、パンなどのつくり手たち。そのどれもが、自分の仕事にこだわりを持ったつくり手からつくり出された、愛情たっぷりのものばかりです。
 著者やつくり手の糸島を愛する気持ちが伝わってきて、思わず訪れてみたくなるところが満載です。

 (S・I)
『マンガ建築考 もしマンガ・アニメの
        建物を本当に建てたら』
『贖罪の1オンス』
森山 高至/著   技術評論社

 世界には沢山の特徴的な建物があります。サグラダ・ファミリアや万里の長城、最近では日本のスカイツリーも有名です。建築技術は日々進歩し、夢物語だった建物も現実のものにしてきました。本書はそんな現代建築の力を使って、想像の世界の建築物が再現出来るかを真面目に面白く考えています。
 マンガやアニメの世界の雲を突くような高層建築や、海底に建てられた塔。想像の世界だからこそ存在できる巨大建造物をもし本当に建てるならどうやればいいのか。「ワンピースの海底監獄」「進撃の巨人の巨大な壁」等、身近なマンガの世界をリアルに楽しめる一冊です。

 (N・Y)

保科 昌彦/著   祥伝社

 お客様相談室主任として苦情の対応に追われている佐伯は、突然上司から呼ばれ、会社が脅迫されていることを知らされます。警察に届け出るように進言しますが、上司には聞き入れられず、反対に相談室に寄せられた苦情の中から、犯人らしき人物を割り出すように命令を受けます。
 会社のやり方に納得がいかないまま調査を続ける佐伯でしたが、過去に起こったある一件の苦情にたどりつきます。「その苦情の送り主が犯人では」佐伯は、苦情の送り主である安西の行方を追います。
 やっとその居場所を突き止めた佐伯を待っていた脅迫事件の裏にかくされた真実とは?
 (A・U)

『バタをひとさじ、玉子を3コ』 『日本に生まれてよかった!』
石井 好子/著   河出書房新

 シャンソン歌手、そしてエッセイストとして活躍された石井好子さん。
 名著・『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』から半世紀。古きよきフランスのかおりがただよう、単行本未収録のお料理エッセイ集。
 たっぷりのバタを溶かしたフライパンに卵をさっと流して焼き上げるふわふわのオムレツ。たまねぎをたっぷり使い、チーズをふりかけるオニオンスープ。読めば読むほど、なんだかお腹がすいてきます。
 フランスならではの季節の食材やレシピの数々に、勉強熱心で美食家の性格がうかがえる、まさにくいしんぼうのための一冊です。

 (Y・M)
永 六輔、ケン・ジョセフ/著 
徳間書店


 日本の若者にもっと元気になってもらいたい。この国の平和と自由と豊かさをずっと守り続けてほしい。そんな願いを込めて、日本と日本人をこよなく愛し、大切に思っている著者二人からのメッセージが綴られています。
 急速な社会変化に翻弄されることなく、人生いかに生きるべきかを考えることが大切と説き、世界には負けない日本の良さや日本人の持つ美徳や誇りが、どれほど素晴らしいものかを再認識してほしいと語っています。
 先の未曾有の震災による被害と未だに予断を許さない状況下の今日。私たち日本人は、人と人とのつながりを大切にし、自分の生き方と向き合わなければならない時にきています。

 (Y・O)

 





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