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No.471 平成23年5月
 
  
『永田町トリビア』
『母と息子の老いじたく』
三反園 訓/著 KKベストセラーズ

 2009年1月から2010年11月まで、テレビ朝日の番組で放送されたものが本になりました。著者は、総理との海外同行取材歴を持つ、テレビ朝日のコメンテーターです。
 本書は、ニュースで流されるような難しい話題ではなく、“国会図書館の書庫にないもの”や“総理の辞任理由ベスト3”“政治家のお盆の過ごし方”など、「へぇ~」と思えるものばかりがおもしろくまとめられています。
 政治は私たちの生活に直結しているもの。政治に興味がない人が関心を持つきっかけになれば、との著者の願いと、熱い思いが込められています


 (S・I)
ねじめ正一/著  中央公論新社

 私は元々不自由な人間であるという著者は、以前敬愛する女性詩人に、「受験勉強のように詩を書いている」と指摘されました。今回その言葉を肝に銘じ、自分では考えもつかないエッセイを書きたくなりました。思わぬものに出会い、自ら知らない方向に連れていかれ、書きに書き上げたものです。
 母も息子もとっくに老いを迎えているのに、老いを忘れ、親子は日々格闘しています。3月大震災の日、母は地震で散らかったペンやリモコンを不自由な手で、あるべき場所に戻しました。
 何気ない日常に、親子の、人の、あたり前の出来事があふれ、声が聞こえてきます。男の本音もかいま見える一冊です。

 (T・M)
『グッバイ・ヒーロー』
『演歌は国境を越えた
~黒人歌手ジェロ 家族三代の物語~』
横関 大/著  講談社

 ピザ屋で配達の仕事をしながら、音楽を続ける伊庭亮太。「困っている人がいたら助けなければいけない」というルールを持つ亮太が今回助けたのは、立てこもり事件の人質でした。
 警察からの要請で、なぜか犯人が要求するピザを届けるはめになった亮太は、そこで人質の“おっさん”と出会います。訳ありな“おっさん”を助けた亮太は、またもや事件に巻き込まれるはめに…。
 目の前の困った人を助けたい、そんな真っ直ぐな気持ちが結んだ“おっさん”と亮太の絆の物語です。

 (S・S)
小堺 正記/著  岩波書店

 異色の演歌歌手・ジェロ。確かな歌唱力で、紅白にも出場した実力派です。しかし、彼をめぐるドラマは、華やかだったわけでは ありません。祖母・母と三代に渡ってたどった苦難のみち。人種差別や偏見、そして、いじめ。そんな時にいつも心の支え
になったのは、日本の“演歌”だったのです。祖母と母の苦難が、やがてジェロという演歌界のスターを生み出すまでの軌跡を描いた一冊です。

 (Y・M)
『偉大なるしゅららぼん』 『白の祝宴』
万城目 学/著 集英社

 琵琶湖畔に住み、琵琶湖の不思議な力を授かり繁栄してきた、湖畔の民である日出家。日出家に生まれた涼介も力を持っていたため、父や兄と同じように高校進学を期に修行を兼ねて日出本家に居候することになりました。
 桁違いの富豪日出本家の息子、淡十郎を初めとする住人たちに振り回され、日出家と対立する棗(ナツメ)家の息子、広海に対抗心を燃やしながら毎日を送る涼介。しかし、対立する日出と棗の両家に、意外な所から最強の敵があらわれたのです。
両家を琵琶湖から追い出しにかかる敵。なぜ、敵は琶湖から両家を追い出そうと企んでいるのでしょうか。

 (U.A)
森谷 明子/著  東京創元社

 出産を控え土御門邸へと移り住んでいた中宮彰子の後宮へ、藤原香子(紫式部)は再び宮仕えに出ることになりました。彰子が男児出産の後、中納言の屋敷に盗賊が入り、その一味が土御門邸へ逃げ込んだ疑いがもたれます。しかし、盗賊の姿は見つからず、血痕だけが残っていました。その謎を香子と、香子に仕える阿手木がともに探ります。
 『紫式部日記』をもとにして、紫式部が探偵となって、消えた盗賊の謎や呪いの謎などを解いていく形容詞物語です。

 (Y・O)

 





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