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No.487 平成24年2月
 
  
『親のお金の守り方』 『幻影の星』
北見久美子/著  朝日新聞出版

 親の老いは、着実にやってきます。次第に、身のまわりの世話などできないことも増えてきます。「お金」の管理もその一つです。
 離れて暮らす親の金に群がる様々な巧妙な手口や執拗な勧誘が老いた親の孤独や不安に忍び寄り、気がついた時には既に遅かったというケースは少なくありません。
 後から後悔しないためにも、今のうちから財産のことや家のことを聞いてみませんか?

 (A・N)
白石 一文/著   文藝春秋

 六月のある朝、熊沢武夫のもとに郷里の母親から奇妙な電話がありました。武夫の名前が入ったレインコートが忘れ物として実家に届けられたというのです。正月以来帰省はしておらず、ましてや同じようなコートは一度も袖を通さず、クローゼットにしまってあったのです。誰かのいたずらなのか、それとも幻影か。謎めいた出来事をきっかけに、「生」と「死」について翻弄される青年の心理を描いた物語です。

 (Y・O)
『バカな研究を嗤うな』 『母さんの「あおいくま」』 
藤田紘一郎/著 技術評論社

 寄生虫博士と呼ばれている藤田さんが、幼少期の家族との確執、いじめを受けていた学生時代、そして日の目を見ることがなかった研究生活と今に至るまでを綴った自伝です。
 医者が不足している時代にせっかく医者になったのに、寄生虫の研究の道に進み50年になります。今の日本は、ばい菌や寄生虫などの汚いものを排除してしまいました。
 そのキレイ社会がアトピーや喘息を生み、若者の気持ちをいびつにし、うつ病患者を増やす結果となっていると書いてあります。

 (N・K)
コロッケ/著   新潮社

 ものまね芸人として活躍する著者を支えているのが「あせるな・おこるな・いばるな・くさるな・まけるな」という言葉。頭文字をとって「あおいくま」。母と姉と3人暮らしだった幼い頃、物心つくころから、5つの言葉を書いた紙が家に貼ってあり、今も著者の心に深く刻まれています。
 お米が無く、ご飯にあられが出たこともありますが、近所の人がそこまで貧乏だったことに気づかないくらい、笑い声の絶えない家庭でした。
 貧乏な生活、初めて親に反発して上京したこと、芸能界での不安定な生活…。いろいろな場面で著者の心の支えとなった母の「あおいくま」。今も著者を支える母を綴った一冊です。

 (S・S)
『泥沼はどこだ―言葉を疑い、言葉でたたかう』 『ロバート キャンベルの小説家神髄
~現代作家6人との対話』
小森陽一/アーサー・ビナート著
かもがわ出版


 大震災以後、私達はどこかで想定外という言葉をよく耳にしました。では想定と想像という言葉はどう違うのでしょうか。詩人のアーサー・ビナートさんは、想像が自由に思え、想定はプロフェッショナルな印象を受けたと話します。
 この本では、ふたりの文学者が、政治の言葉について語り合いました。福島のある国に生きるということ、今改めて考える原発のこと。読者とともに言葉を生かし、思考停止に陥った社会を揺り動かしたいという願い。大震災から一年、改めて考えるべき問題が詰まった対談です

 (T・M)
ロバート・キャンベル/編著
(NHK出版)


 アメリカ出身で日本文学者の著者。専門は近世文学ですが、今回は道尾秀介や江國香織など現在活躍中で著者が気になる作家6人を取り上げ、その作家たちとの対談をまとめたものです。
 自分が生み出す小説への思いや現代社会に対する考えをどのように作品に反映させるかなど、作家の神髄にせまった一冊です。

 (U・A)

 





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