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No.488 平成24年3月
 
  
『東京スカイツリー物語』 『遠い勝鬨』
松瀬 学/著   KKベストセラーズ

 東京の新しいシンボルともいえる東京スカイツリーは、2月末に3年8ヶ月に及んだ建設工事が終わり、5月22日に誕生します。634メートルという自立電波塔として世界一の高さを誇り、電波塔としての役割はもちろんのこと地域社会の活性化を担う存在としても期待されています。
 着工から工事に携わった作業員は、のべ58万人にのぼり、まさに日本の高い技術力とそこに携わる人々の情熱の集大成でもあります。そんな多くの関係者の中から職人や設計者、デザイナーなど11人のツリー建設に対する熱き想いが綴られています。

 (Y・O)
村木 嵐/著   文藝春秋

 徳川家光に仕える松平信綱が18の頃、医学を学びにきた8歳の小太郎を家に置くことになり、やがて二人は兄弟のような仲になります。信綱は南蛮医術を学ぶために小太郎を西国へ行かせようと考えますが、離れがたさから時期を延ばしていました。
そんな中、信綱が事故で腕に怪我を負い、小太郎は信綱のためにも南蛮医術を学ぼうと西国へ下ります。
 時は耶蘇教が禁教とされた時代。亡き小太郎の母が耶蘇教信徒であったことが二人の関係に影を落とし始め、さらには信綱の事故にも怪しい影が見え隠れし…。
 信頼しあいながらも切り裂かれていく二人を描いた物語です。


 (S・S)
『中途半端な密室』 『百姓が世界を救う』 
東川 篤哉/著 光文社

 昨年『謎解きはディナーのあとで』が本屋大賞を受賞し、大ベストセラーとなった著者の初期の作品集です。
 テニスコートの中央で、腹部にナイフが刺さった男の死体が見つかった。コートの入口には内側から鍵がかかり、周囲は4メートルの金網がはりめぐられていた。完全な密室ではない場所での不可解な事件。犯人はいったい誰か?
 表題作「中途半端な密室」をはじめ、有馬記念と同時刻に起きた強盗事件の容疑者にはアリバイがあった。そのアリバイは崩せるのか?プロ作家デビュー後の作品「有馬記念の冒険」ほか、本格デビュー前の短編作品から年代別に5作収録されています。東川作品の原点ともいえる1冊です。

 (A・U)
木村 秋則/著   東邦出版

 不可能と言われた無農薬・無肥料でのリンゴ栽培に成功した著者は、2006年、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」に出演し、大反響を呼びました。店先に並ぶ、形の揃って均一な、まるで工業製品のような野菜。日本が世界一の農薬使用国であることは、ご存知でしょうか。本書は、著者が人生を賭して提唱する奇跡の栽培法「自然栽培」を、公式に紹介する初の書籍です。
 日本人の2人に1人が何らかの病気とアレルギーを持っている時代。本当に安全な農作物とはどんなものか?改めて考えさせられる一冊です。

 (S・I)
『長野剛の世界』 『サムライ千年やりました』
長野剛/イラスト  新人物往来社

 ゲームでおなじみとなりました『信長の野望』シリーズや『三国志』シリーズのイメージイラストを描いている長野さんの3作目です。どの作品も鮮やかな色彩と緻密な描き込みで見る人を引き込むような魅力であふれています。今回の作品の中には本の表紙だけでなく、マニアにしかお目にかかれないような貴重なゲームのイラストや舞台のポスターも含まれています。
 また、長野さんの仕事場を紹介するページもあり、制作までの苦労話も掲載されています。信長を描く時はやはり「眉間にしわを寄せて描く」という話もあり、興味深い1冊となっています。

 (K・S)
岩井三四二/著  角川学芸出版

 本作は、時は平安時代から現代まで様々な時代と立場の違う日本の男達が、逃げることの出来ない状況に立ち向かう短編集になっています。
 蒙古襲来というかつてない危機を乗り越え追撃に心を滾らせる武者の心中に迫った話。初の海外出張で切羽詰った状況に立ち向かう若いサラリーマンの話等、日本のサムライの持つ魅力が書かれています。味わいの違う話が多く収められた、どの話から読んでも楽しめる一冊です。

 (N・Y)

 





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