『「こどもと映画」を考える』 |
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『禁断の魔術 ~ガリレオ8』 |
キネマ旬報社/編 キネマ旬報
副題として「13才までに見せたい名作映画50ガイド」と付けられていますが、単なる映画のガイドブックにとどまらない1冊です。
第1章では映画や映像教育の意義、海外での映画教育の例に触れ、第2章では子ども達への映画上映や製作に関わる各地の取り組みを紹介しています。
そして、第3章で子ども達の映画専門サイト「こども映画プラス」の協力により選出された子ども達に観せたい名作映画50本が紹介されています。
それぞれのページで「こどもたちが生き生き」、「戦争や社会が学べる」等のキーワードも添えられているので、子どもと一緒に選ぶ時にも役立ちます。
(K.S) |
東野 圭吾/著 文藝春秋
湯川は、自分が高校時代所属していた『物理研究会』の後輩である古芝伸吾から、会存続の危機の訴えをうけ、新入生向けパフォーマンスのアイデアを手助けしました。
その伸吾が湯川を慕い、帝都大に入学、挨拶にきた伸吾に喜ぶ湯川でしたが、次に伸吾の名前を耳にしたのは一年後、フリーライター殺人事件の重要参考人としてでした。事件捜査で浮かんできた伸吾の姉がホテルで病死した事件。その裏に見え隠れする有名代議士の影。
そして事件発覚とともに姿を消した伸吾。
教え子が絡む悲しい事件に挑む『猛射つ』他3作の短編が収録された、ガリレオシリーズ初の完全描き下ろしです。
(A.U)
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『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』 |
『空の拳』 |
池上 正樹、加藤 順子/著 青志社
3.11の大津波によって、死者・行方不明者84名という大惨事に見舞われた宮城県石巻市立大川小学校。多くの尊い命はどのようにして奪われたのか、目撃者の証言や聞き取り調査によって被災時の状況が明らかになるにつれ、数々の疑問点が浮上しました。さらに、被災事故についての報告書には不備や矛盾が多く、その場しのぎの行政の対応に遺族の不信感はつのり、今なお真実の解明は平行線をたどっています。
この災害が過去の出来事ではなく、これからの日本のあり方を問うものとして忘れてはならないと訴えています。
(Y.O) |
角田 光代/著 日本経済新聞出版社
出版社入社3年目の空也は、文芸編集部が念願でしたが、突然ボクシング雑誌への異動を告げられます。
取材先のボクシングジムで、何も知らない空也にトレーナーは、まず入会することを勧めます。
不気味な恐怖さえ覚えた初めての試合観戦。
様々な人との出会いを重ね、空也は自ら拳の世界にのめり込んでいくのです。
突き上げられたグローブのなかの、見えない拳。リングで向き合う拳に、人々は熱狂し、戦う自分を重ねます。角田光代さんが描く力強いボクシング小説です。
(T.M)
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『パブリック・ブラザース』 |
『希望(仮)』 |
新野 剛志/著 双葉社
20歳の夏休み、海外への一人旅を計画していた望月智は、出発日に空港で航空券が発券されていないと告げられます。格安航空券を扱う旅行会社に騙された智は、サークル仲間に壮行会まで開いてもらった手前、大学の仲間と会う場所へは行けずに地元でひっそりと過ごすはめに。そんな智の周辺で次々と問題が起こります。
突然、中学の同級生に身に覚えのないいじめを許してほしいと言われたり、カフェで働く女の子に恋をしたり、訳ありの同級生と再会したり…。
友情、恋に振り回され、目まぐるしく過ぎていく20歳の夏を描いた青春小説です。
(S.S) |
花村 萬月/著 角川書店
成績優秀な山下幸司は両親と同じ東大を受験する。入試問題は彼にとって易しく、試験中であるにもかかわらず、前日に有働と名乗る男から渡された名刺を眺めていた。
しかし、その行為がカンニングとされ失格となってしまう。家に帰れないと覚悟した山下は、有働に連絡を取り仕事の紹介をしてもらう事になります。
最初の仕事は福井県にある原発建屋の検査、次に沖縄県のダム建設の現場で汗を流して働くことに。
荒くれ者が集う現場で山下は多くの人と出会い、人生の勉強をしていくことになります。
(Y・E) |