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おすすめの本


No.514 平成25年5月
 
  
『松林靏之助九州地方陶業見学記』 『本能寺ゲーム』
松林 靏之助/著
前崎 信也/編  宮帯出版社


 京都市立陶磁器試験場附属伝習所の学生である松林靏之助は登り窯の構造に興味を持ち、卒業前の大正8年九州の窯業地を巡ります。実家である宇治市の朝日焼に所蔵されていた当時の見学記が編者の目に留まり本書が翻刻されました。
 大正期の窯業の様子を知るだけでなく、地元の方言や温泉旅館、各地の名所の感想などの記載が随所にあり郷土史資料としても楽しく読めます。

(N.K)

高井 忍/著  東京創元社

 日本のアニメ文化にどっぷりつかり、その影響で日本の歴史好きになった留学生のアナスタシア。彼女が教室に持ち込んできた歴史雑誌「ジパング・ナビ」には、「本能寺の変」の新説を募集する記事が掲載されていました。
 同じく歴女仲間の亜沙日、そして正統派の歴史愛好家を自負する姫之。三人は賞金と豪華副賞を手に入れるため、討論を始めました。その結果、各自が導いた「本能寺の変」の新説とは? 高校生歴女三人組が、大奥から古代史まで歴史の新説を追い求める風変りな歴史ミステリーです。   

(A.U)
『肉筆 幽霊画の世界』 『ヨーロッパの民族衣装 衣装ビジュアル資料 』
安村敏信/著  新人物往来社

 怨念を晴らすためにこの世に現れる=幽霊は怖い。そう思っていませんか。ところが、中世の「今昔物語」には自分を捨てて出て行った男と再会し、歓待して契りを交わすけなげな幽霊や、幽霊となってまで約束を果たす律儀なものまでいるようです。
 幽霊は必ずしも復讐のためにこの世に現れるわけではない。本書では、美しい幽霊や、ほほえましい夫婦の幽霊。我が子を守ろうとする決意にみちた母の幽霊。どこか癒されてしまう幽霊など決して怖くない幽霊にたくさん出会えます。幽霊を描くということは、死者の生前の強い思いをすくい上げる作業なのかもしれません。古今東西の画家が描いた多様な幽霊の姿を紹介します。       

(Y.M)
芳賀日向/著  グラフィック社

 美しいイラスト集と勘違いしてしまう池田理代子さんが手掛ける表紙。もうこれだけでウットリ見入ってしまうのですが、内容も素敵で、その民族衣装を現地に行って着てみたくなります。
 色鮮やかで、細かい刺繍やテープ、ビーズを使った模様はまさに職人の技。心ときめかされます。
 この刺繍や色遣いの配置には隣接する村々との区別・宗教の違いが現され、悪霊から人体を守る魔除けの意味があり、女性は未婚・既婚などそれぞれの年代に合った自己表現とされていたようです。
 ヨーロッパ各国の民族の歴史と先祖代々受け継がれてきたアイデンティティが詰まった一冊です。

(A.M)
『工場』 『桜は今世界のどこかで咲いている』
小山田 浩子/著  新潮社

  シュレッダーで書類を粉砕する仕事を任された契約社員の牛山佳子、環境整備課屋上緑化推進室という自分一人だけの部署に配属になった古笛、リストラにあい、恋人の口利きで資料の校閲の仕事をする牛山佳子の兄。この三人が働く「工場」は、お寺と墓地以外はすべてがそろっていて、完全に町といえるほど広大で莫大な存在でした。そんな中で細々と仕事をする彼らは、働くこと、生きることに不安と不条理を感じながら日々を送っているのでした。
 幻想的で独特の世界観が漂う表題作を含む三篇の物語です。
              
(Y.O)
峰村 剛/著  考古堂

 日本で春の代名詞の1つとして桜があります。
 例年春になると花見に行くという方も多いのではないでしょうか。
 しかし、この時期の九州では桜は散っています。でも、南北に長い日本、これから見ごろを迎えるところもあるそうです。さらに桜は日本だけでなく、世界中に植えられており、その国々で季節がくるときれいに咲くそうです。
 この本は、桜と旅が大好きな峰村さんが、日本と世界の桜、そして自分の思いをまとめた1冊です。巻末には何月にどの国の桜が開花するかもまとめられています             
(Y・E)

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