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おすすめの本


No.528 平成26年1月
 
  
『赤ヘル 1975』 『疾風ロンド』
重松 清/著  講談社

  
  「赤は女の色、男の色では無い。」ヤス少年はそう思っている。原爆が落とされて4年後、広島にプロ野球チームができた。「広島東洋カープ」である。
  これには市民は大いに喜び、誰もが熱狂的なファンとなった。ヤスもその1人である。
 しかし、広島は弱く、創設25年の間にAクラスは1度、ここ3年も断トツの最下位であった。
そして今年、新監督によりチームカラーが赤に変更される。
 応援したいけど気に入らない、葛藤を続けるヤスを尻目にシリーズは開幕。10戦して4勝、この時まだ「赤ヘル軍団」1975年の奇跡を考えるものは誰もいなかった。

(Y.E)
東野圭吾/著 実業之日本社

  突然、泰鵬大学医科学研究所に届いた1通の脅迫メール。送り主は上司に無断で生物兵器の菌を開発、解雇になった元職員で研究所を逆恨みし、自分が開発した菌を盗み出して雪山に埋め、場所を知りたければ3億円を支払えという内容のメールでした。
 ところが、脅迫をしてきた男性が事故死。残された手がかりは、男性が残した遺留品にあったデジタルカメラの写真のみという状況に陥ってしまいました。
 事故死した男性の直属の上司であった栗原は、菌の回収という難題を命じられ、雪山に慣れている息子と、菌が埋められているスキー場に向かいます。
 目印は菌を植えた木の枝につるされたテディベアのみ。広大なスキー場、あたり一面が雪景色のなかそれを見つけ出せるでしょうか。    
(U.A)
『変数人間 『本ってなんだったっけ?
     紙の本の未来を考える』
フィリップ・K.ディック/著 大森 望/編   ハヤカワ文庫 SF

 核戦争後、地下施設での生活を強いられてはいるものの、火星から届く救援物資で日常生活に困ることもなく、それなりに平和で平凡な毎日を過ごしている住人たち。
 だが暇を持て余していた人々は、パーキー・パッドという人形遊びに過剰にのめり込み、人形用の家具や家電などの模型を手に入れるために、奪ったり賭けをしたり、さらには別の地下施設に住む住人と対決することに。
 傑作『パーキー・パッドの日々』他、全10話収録。ディック入門に最適な短編集です。 

(C.Y)
森 彰英+「週刊読書人」取材チーム/著  北辰堂出版

 “黒船の到来”と言われた電子書籍のブームは、予想を大きくはずれ、最初の期待ほど伸びていない。それではいま私たちは、どんな活字を読んでいるのかとなると、出版業界の不況や、地方書店の廃業などの影響を受け、書籍とも寂しい関係になっているのではないか?
 じゃあ、いったいぜんたい「本ってなんだっけ?」。
 出版社や書店の果敢な挑戦、そして新しい「コンテンツ」たち。そこに本の未来はあるのか?それとも・・・??             

(Y.M)
『リアスの子』 『ダイオウイカ、奇跡の遭遇』
熊谷 達也/著  光文社

 港町・仙河海市に桜が咲く季節がやってきました。中学校でも新学期を迎える準備がすすめられていたある日、3年生を受け持つ和也に転校生の受け入れの話がきます。そしてやって来た転校生の早坂希は茶髪にセーラー服とくるぶしまでのロングスカートと、まるでスケバンのような出で立ちでした。
 希の存在はクラスに奇妙な緊張感を漂わせ、やがて彼女は万引き事件を起こしてしまいました。和也は彼女の真意を理解しようと奔走します。
  教師と生徒がぶつかり合いながらも、共に教え、学びあう姿がすがすがしく感じられる小説です。

(Y.O)
窪寺恒己/著 新潮社

 今年のお正月、ある港で珍しいものが水揚げされました。初競りに顔を出したのはダイオウイカと見られる3.5メートルもの大きなイカ。
 二年前のNHKのドキュメンタリでその姿を知る人も多いのではないでしょうか。
 長い間生きて動く姿を目にすることがなかった深海の生物。NHKドキュメンタリの映像は大きな価値のあるものだったのです。撮影の苦労は大きかったとは思いますが、読んで見ると想像以上の困難が記されています。
 専門家たちの頭脳、最新のテクノロジー、そして著者の執念。確率1%以下の奇跡の遭遇を記録したドキドキしながら読める一冊です。   

(N・Y)

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