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おすすめの本


No.546 平成26年10月
 
  
『神様の裏の顔』 『さいとう市さいとう高校 野球部 1』
藤崎 翔/著 角川書店

 坪井誠造氏の通夜には大勢の慰問客が詰めかけ、中学校の教師だったという坪井氏を神様のようだったと偲び、誰もが涙を流していました。
 しかし、参列者が故人との思い出を振りかえっていくうちに、故人に対する疑いの気持ちがわきあがってきます。
 過去の同級生の自殺への関与を疑う元教え子、息子の交通事故を疑う元同僚など、疑惑は個人を神様から犯罪者の姿に変えていきます。本当の坪井誠造とはどんな人間だったのか、それぞれが抱く疑惑を共有した後に見えてくる真実の姿とは?

(S.S)

あさの あつこ/著 幻冬舎

 エースピッチャーの山田勇作は、温泉が大好きな2年生です。そんな彼が所属する「さいとう高校野球部」は、昨年夏の地区予選を監督不在ながら準決勝まで進み、今年の春選抜は予選を優勝し、甲子園出場を決めています。
 練習に励む勇作でしたが、運悪く家族がクジで温泉旅行を当てしまいます。温泉をあきらめた勇作に監督は、温泉に行くように厳命します。
 さらに監督はキャッチャーの山本まで温泉に行かせます。彼らを温泉に行かせた監督の思惑とは。
 そして、甲子園で彼らはどこまで勝ち進むことができるのでしょうか?

(Y.E)

『明治の国際人・石井筆子』 『フォルトゥナの瞳』
長島 要一/著 新評論

 石井筆子という女性をご存じでしょうか?明治時代にフランス留学を経験し、女性の教育と自立の重要性を説いた人です。また、女学校のフランス語講師のかたわら皇室の通訳も務め、当時の日本外交を陰から支えていました。その後、知的障害者教育の発展にも尽力した彼女の影響を強く受けたデンマーク女性がいます。
 この本は、筆子の影響でデンマーク婦人参政権運動に携わったヨハネ・ミュンターと筆子の交流の記録です。当時日本に滞在していたヨハネ自身が見た筆子はとても優秀で、しかし様々な困難を背負っている女性でした。後世の人々に「無名の人」と称される石井筆子の姿を、外国人女性の視点で記した一冊です。

(S・S)

百田 尚樹/著 新潮社

 幼い頃に家族を亡くし、施設でひどいいじめにあった慎一郎は人と関わりを持つことが苦手で、今も仕事中心の孤独な毎日を送っていました。
 ある日、慎一郎は電車の中で手が透けた男性を見つけます。透けているのは死が近い人だという事に気づいた慎一郎は、透けている人達を助けはじめます。そして葵という1人の女性と出会い、いつしか2人は愛し合うようになります。
 そんな時、助ける事が命を縮める事になり、自分の身体がすでにぼろぼろだということを知ります。葵のため人助けを辞めようとしますが、列車事故で多数の人間が命を落とすことを知り、助けるか悩みます。未来をとるか、命を救うべきか悩み抜いてだした結論とは・・・。
(A.U)

『地球の細道』 『ふたつのしるし』
安西 水丸/著 エーディーエー・エディタ・トーキョー

 今年3月に急逝された安西水丸さんは、イラストレーター、絵本作家としてだけではなく、文筆業でも小説、エッセイ等、多くの著書があります。
 この本は、安西さんが旅をした国内と海外の各地について、旅の思い出と、その土地にまつわる人物や建築などを紹介しています。自然体で飾らない安西さんによる旅のスケッチも魅力的です。
 そして、佐賀県では、講演のため訪れた佐賀市と戦国武将の竜造寺隆信について紹介されています。
 この本を読むと、訪れてみたい場所が見つかるかもしれません。

(H.Y)

宮下 奈緒/著  幻冬舎

 人にうまく溶け込めず、周囲と何が違うのかわからないまま、自分の世界の中で生きる温之。成績は優秀で、真面目で目立たぬよう、疎まれないようにと自分を偽りながら暮らしていた遙名。そんな不器用な二人が、母の死や悲しい恋を乗り越え、ありふれた日常の中で自分の居場所を見つけ出し、成長していく姿が描かれています。
 世知辛いこの世でも、自分が生きる「しるし」がきっと見つけられると希望を抱かせてくれる物語です。

(Y.O)


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