『拝啓彼方からあなたへ』 |
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『幕末・維新 長州傑士列伝』 |
谷 瑞恵/著 集英社
中学の時、親友の響子から、「もしもあたしが死んだら、この手紙をポストへ入れてください。」と書かれた手紙を託された詩穂。その後響子とは疎遠になり今では交流も途絶えていました。
そんなある日、詩穂は響子の自殺を知ることに。今でも響子は自分の事を友達だと思っていたのだろうか…。迷いながらも預かっていた手紙を出すことに決めた詩穂は、それから響子の過去にまつわる事件に巻き込まれていきます。
手紙を通した心温まるエピソードを織り交ぜながら進んでいく事件の真相とは?
(S.S)
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一坂 太郎/監修 平凡社
大河ドラマ「花燃ゆ」は、吉田松陰や幕末に活動した長州の多くの傑士が登場します。
この本では、その吉田松陰の松下村塾で学んだ門下生や、長州藩士などが遺した自筆の書簡や詩書などが掲載され、その人物像について解説しています。
「書は人となりをあらわす」とも言われます。
書の筆跡や文体から、書き手の当時の気持ちや性格が伝わってくるのかもしれません。
遺墨や遺文を鑑賞し、時代背景を知るとともに、傑士たちの素顔を想像してみてはいかがでしょうか。
(H.Y)
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『福も来た~パンとスープとネコ日和』 |
『イスラム国の正体』
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群 ようこ/著 角川春樹事務所
素材にこだわり手間と時間をかけて作ったスープとサンドイッチのお店を続けているアキコ。愛猫が死んだ寂しさを抱えながらも、従業員のしまちゃんや近所の喫茶店のママに助けられながら毎日を過ごしています。
けれども最近、お店は一時期の忙しさはなく客足が落ち着いてきたのに、少し不安を覚えています。お店はこのままでいいのだろうかと。アキコは周りの助けをかりながら、自分なりの答えをだそうとしていきます。
何気ない毎日の大切さにきづかせてくれる物語です。
(U.A)
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黒井 文太郎/著 KKベストセラーズ
2010年の末にチュニジアで勃発した独裁政権に反対する民主化運動に端を発し、デモや抗議活動がアラブ世界に広がりました。シリアでもそれに触発されて民主化運動が起き、内戦へと陥りました。その地で台頭してきたのが「イスラム国」と名乗る過激派武装組織です。
彼らはシリアとイラクを支配し、テロ行為や大量銃殺、斬首の画像公開などその残虐性は世界を震撼させ、脅威的な存在として今もマスメディアに取り沙汰されています。宗教がからむ複雑な中東情勢の中で急成長してきた「イスラム国」とは何者なのか、その姿に迫っています。
(Y.O)
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『青天 包判官事件簿』 |
『辞書には載らなかった不採用語辞典』 |
井上 裕美子/著 中央公論新社
中国は「宋」の時代、端州の役人である孫徳は頭を抱えていました。原因は一月前に着任した新知事のせいです。
知事はその州における、政治と軍の最高権力者であり、仕事の手腕と威厳が必要と、懐徳は考えます。問題の知事というと、仕事は丁寧で生真面目ですが、ただ威厳が無いのです。歳は30代半ば、身なりは貧相で、言葉使いも驚くほど丁寧です。
懐徳は着任早々、身なりや言葉使いを正すよう申し入れましたが、やんわりと断られます。
しかし、この知事と仕事をするうち 、もっと一緒に仕事をしたいと思うようになります。
これは、千年前に清廉潔白で公平な判断を下し、名判官と慕われた包希仁 の物語です。
(Y.E)
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飯間 浩明/著 PHP研究所
国語辞典に載る言葉がどのように選ばれているかご存知ですか?辞典の編纂者が日常で見聞きした言葉とその使い方を収集して、その中から新しく事典に採用するものを決めるのです。
この本は『三省堂国語辞典』の編纂者が、収集したけれど、残念ながら辞典掲載にはならなかった言葉を集めた本です。インターネット通販サイトでの買い物を意味する「ぽちる」、「画期的」の言い間違いかもしれない「活気的」など、様々な言葉が紹介されています。私たちが普段何気なく使っている、「負担」「自腹」を意味する「手出し」。なんとこれは九州方言ということで、不採用になっていました。
辞典編纂者の視点で、日常に溢れる言葉たちの意味を見つめなおしてみましょう。
(S.S)
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