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おすすめの本


No.551 平成27年1月
 
  
『壊れた自転車でぼくはゆく』 『古地図が語る大災害』
市川 拓司/著 朝日新聞出版

 真の祖父・寛太は戦時下で受けた心の傷のせいで、世間や家族との係わりをほとんど避け、自分だけの空間でひっそりと過ごしていました。そんな祖父と真は、ガールフレンドの麻美と共に、祖父の生まれ故郷へ向けて旅に出ることになります。
 旅の道すがら、祖父が亡き祖母との思い出をぽつりぽつりと話してくれました。初めて知る祖父の過去。そこにはお互いを慈しみ、あふれる愛の中で生きる祖父と祖母の若かりし頃の姿がありました。
 純粋でまっすぐな心を持った男女の人生がみずみずしく描かれ、胸に温かいものがこみあげるのを感じます。
(Y.O)

本渡 章/著 創元社

 今年の1月17日、阪神・淡路大震災が起こってから20年がたちました。時の経過とともに、災害への恐さを忘れてしまうことが危惧されています。
 この本は、大阪を中心に、関西の古地図と、地震や津波、大火を記録した絵図・瓦版について解説しています。
 過去の資料には、災害の被害状況と共に、人々がどう災害と向き合い復興を遂げたかが記されています。今世紀に入り二度の大震災を経験した私たちですが、この本で過去に繰り返されてきた災害を知り、未来へ受け継いでいくことの大切さが伝わってきます。
(H.Y)

『他界』 『ジュンのための6つの小曲』
金子 兜太/著 講談社

 現代俳句の世界で活躍する金子兜太さんは今年95歳です。兵隊として25歳で戦地に赴き、戦友が次々と死んでいく惨状を体験します。それから常に死について考えてきました。
 10年ほど前から神棚の前で毎朝死んだ人の名前を唱えるのが日課だそうです。全部で120人くらいの名前を30分以上かけて称えると、妙に親しみが出て元気が湧いてくるそうです。
 ところが戦争で亡くなっていった戦友たちの無念を思うと、今でも怒りや悲しみが湧きあがります。
金子さんが死について書いた本です。
(N.K)

古谷月 奈月/著 新潮社

 男子中学生のジュンは音と音楽を愛し、大好きな音たちを歌にのせて表現します。しかしそれは周囲から奇行ととられ、「アホジュン」とあだ名されていました。ある日ジュンは、クラスメイトのトクがギターを弾いているのを偶然目にします。そのギターの奏でる音に感動したジュンは気付くのです。自分は音楽家でも演奏家でもなく、楽器だったのだと。
 自分を楽器と自称するジュンと、悩み多きトクが紡ぐ青春小説です。ジュンの視点で綴られる美しい音の世界を体感してみて下さい。
(S.S)

『まちライブラリーのつくりかた』 『晴れた日に永遠が・・・』
磯井 純充/著 学芸出版社

 
 著者の礒井氏は六本木ヒルズの中にある会員制図書館「六本木ヒルズアカデミー」の立ち上げから携わっていましたが、様々な事情により手がけていた仕事から離れてしまいました。その後、体調を崩し休職している間に、本来の自分の考えに立ち戻り、本の話題を通じて人と人とが出会う場を作りたいと思い、まちライブラリーの立ち上げを始めたのです。
 平成26年にはすでに120ヶ所を超えるまちライブラリーが関東や関西などでつくられています。本屋でもなく図書館でもない独特のスタイル「本のある場所」が登場し、地域の人々がそこに集っている様子が伝わってきます。
(K.S)

中野 翠/著 毎日新聞社

 映画評論から、社会や事件に関する批評まで幅広い見識で人気の著者が『サンデー毎日』に連載中のコラムの1年分がまとめて出版されました。
 2013年11月~2014年11月に話題となったソチオリンピックにSTAP細胞や佐世保の事件から、なにげに自分が見たTVの話や著者おすすめの映画や本の話題まで幅広く触れられています。
 昨年を振り返りながら、読み損ねた本や映画の情報も得られるお得がいっぱいの一冊です。
(U.A)


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