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おすすめの本


No.575 平成28年2月
 
                   
『猿の眼 ~僕ノ愛スル器タチ』 『星降る絶景 一度は見てみたい、至極の星景色』
市川 猿之助/著 淡交社

 古典芸といえる歌舞伎の芸を追及する著者は骨董好きの一面を持っています。
 そんな著者が、自分のコレクションを紹介しながら、骨董にまつわる話を語っています。
 半泥子の茶碗でお茶を飲み、唐津の酒器で酒を楽しみ飲みながら、李朝の花器を愛する骨董の日々からは、器に対する愛とその器を作った先人への敬意が感じられます。
 骨董愛あふれるエッセイ集です。
(A.U)

沼澤 茂美/著 誠文堂新光社

 オーストラリアをはじめとする世界中の星空を撮影した写真集です。天の川と宵の明星や、洞窟の天井の穴から見上げた星、満開の桜の頭上に輝く星空など、思わずため息が出るほどの美しさです。五分ごとに撮影したという金環日食の写真は、時間が経つにつれて太陽が欠けてまた円に戻っていく様子を一目で追うことができます。
 冬から春へと夜空も移り変わるこの季節、ゆっくりと星空に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
(S.S)

      
『笑う赤おに』
『バタフライ』
雀野 日名子/著 双葉社

 「あなたには、なぁんにも見えていない」
 舞台は、「いたわりと見守りの街」A市。そこに住んでいる老婆と中年男性が大晦日に亡くなってしまいます。
 時間を遡ってその年の秋。娘を持つ専業主婦や定年間近のサラリーマン、大学を中退したフリーターの視点で物語は進みます。家族や、将来の不安等、ありふれているものの、各人にとっては重大な問題を抱えた登場人物たちが「赤おに」に関わっていきます。
 それぞれの先入観によって少しづつ食い違う赤おに像。本当の「赤おに」はどんな人物なのか?大晦日の死亡事件との関連は?そして三人が抱える問題はどうなるのか?驚きの最後が待っています。
(R.U)

平山 瑞穂/著 幻冬舎

 気象学者のエドワード・ローレンツのことばに「ブラジルの一匹の蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻を引き起こすか?」という言葉があります。その言葉から、ほんのわずかな変化がその後、大きな現象を起こすことをバタフライ効果と言います。
 この物語に登場するのは、どこかにいそうな、悩みをかかえた人たちです。妻に先立たれ、一人さびしく暮らす老人。派遣の仕事を解雇され、ネットカフェで過ごすようになった若者。学校に行けなくなり部屋にこもり、夜中ゲームに没頭する中学生。
 まったく関わりのない人たちが、いつもとちょっとだけ違うことをした時、何かが起こります。
(N.K)

『近いはずの人』 『にじ色の本棚 LGBTブックガイド』
小野寺 史宜/著 講談社

 三十二歳の会社員、北野俊英。三か月前までは普通の生活を送っていましたが、妻を失ってからというもの放心状態が続いています。
 妻は友人と旅行に行くと言ってマンションを出ました。その途中、事故に遭い帰らぬ人となったのです。しかし、一緒に行ったはずの友人は、タクシーに乗っていませんでした。
 妻の遺品の一つであるロックのかかった携帯電話を手に、暗証番号を探すため四桁の数字を順番に入力し、ようやく探し当てた彼。携帯には妻の秘密が残されており、そこから妻の姿を追いかける旅が始まります。
(R.K)
原 ミナ汰・土肥 いつき/編著 三一書房

 2015年、東京都渋谷区では通称「同性パートナーシップ条例」の制定と、米国の連邦最高裁では同性婚の合憲判決が話題になりました。そして、セクシャルマイノリティであるLGBTへの理解が少しずつ進みつつあります。しかし、現在も当事者にとって、住みやすい社会とは言えません。
 この本は、46人の執筆者によって多様な性を生きる人々の歴史や文化を知り、理解を深めるための本を紹介しています。
 現代社会の課題を知るとともに、自分らしく生きることの大切さが伝わってくる1冊です。
(H.Y)


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