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おすすめの本


No.613 平成29年9月
 
                                     
『主婦 悦子さんの予期せぬ日々』 『緑の窓口 樹木トラブル解決します』
久田 恵/著 潮出版社

 悦子さんは、夫の定年後は自宅を売って気候のいいところで夫婦のんびりと暮らしたなと思っていました。
 ところが、人生思うようにはいきません。大学を卒業した息子は就職せずにパラサイト生活。嫁いだ娘はシングルマザーになると婚家を出てしまいます。おまけに、母親が一人で暮らす実家には、いつのまにか離婚した弟が住みつき、80歳を超えた母親に彼氏がいるようです。家族といえども人のこと。自分が悩んでもどうにもならないけれど、悩まずにはいられません。
(N.K)

下村 敦史/著 講談社

 不器用な男・天野は、区役所の生活課に勤めていましたが、環境対策課「緑の窓口」に異動となり、住民の樹木トラブルに関して相談を受けることになります。
 異動初日の依頼は、「スギの木を伐採してほしい」というものでした。現場に駆け付けた天野は、「樹木医」を名乗る女性・柊紅葉に出会います。「全ては樹木が語ってくれました」そう言って、彼女はスギの木を伐採することになった真相を解き明かしていきます。
 6つの連作ミステリーです。
(A.K)

 
『盤上の向日葵』
『校閲記者の目』
柚月 裕子/著 中央公論社

 とある山中で見つかった白骨化した遺体。奇妙な事に遺体の側には将棋の駒が置かれており、それは初代菊水月作の名品でした。
 なぜ山中の白骨化した遺体の側に、その希少性は計り知れない名駒が置かれていたのか?嘗てはプロ棋士を目指し、今は刑事の佐野は、一度離れた将棋に関わる事件にとまどいながらも、我が道を行く先輩刑事と共に、名駒が事件の鍵を握ると考え、過去の持ち主たちを辿っていきます。
 名駒に隠された一人の男の数奇な運命とは?
(A.U)

毎日新聞校閲グループ/著 毎日新聞出版社

 校閲とは、文書や原稿などの誤りや不備な点を調べて訂正したり校正したりすることです。近年、ドラマや小説になるなど、普段はなかなか表にでることがなく地味なイメージを持たれがちな校閲に今、注目が集まっています。
 日々、新しいものが生まれ、移り変わっていく言葉。そんな時代だからこそ、基準を設け、正確で伝わりやすい言葉を選ぶことが大切になってきます。読み手の立場に立ったり、意味を熟知して書き分けたり、文字や言葉にこだわりを持つプロの仕事に迫ります。
(R.K)

      
『無敵の二人』 『囚人番号432 マリアン・コウォジェイ画集~アウシュビッツからの帰還』
中村 航/著 文藝春秋

 「ねえ、ムシケン。ぐるっとやってぐるっと」と、ボクシングジムの娘あかり(5歳)はもじゃもじゃ頭の青年にまとわりついています。
 ムシケンと呼ばれた彼は、この後ボクシング史に偉大な記録を残す具志堅用高の事です。しかし、今回の主人公は彼ではなく、この小さな女の子、あかりです。
 成長した彼女は、女性トレーナとして初めて、北海道にあるボクシングジムから唯一の世界チャンピオンになる畠山を育てる事になったのです。
 「チャンピオンベルトは決して津軽海峡を越えられない」と言われた常識を打ち破った女性のこれまでを綴った物語です。
(Y.E)


マリアン・コウォジェイ/画・文 悠光堂

 骸骨のように痩せ細ったからだ。画面を埋め尽くすほどの目、目、目の数々。
 作者マリアン・コウォジェイは1940年、開いたばかりのアウシュビッツ強制収容所に最初の囚人グループの一人として収容され、1945年5月に解放されるまでの5年間を強制収容所で過ごしました。
 「これは、アートではない。絵ではない。スケッチの中にこめられた言葉だ」と語る彼が描き続けた収容所での体験の数々。目をそらしたくなるような悲惨な状況の中でも、生きる希望のごとく描かれた目は見開かれています。百聞は一見にしかず。ぜひ手に取ってご覧ください。
(Y.M)



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