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平成12年6月号
・久々に東京神田の古本屋街を歩いた。...
・黒澤学vol.1 黒澤明とジャポニズム
・図書館のこといろいろわかったよ
・声のおとどけもの 対面朗読
・図書館視察日誌
・第5回図書館☆まつり もよおしのごあんない

★ 1面

 久々に東京神田の古本屋街を歩いた。新刊書店でみられる、ベストセラーの平積み光景と違い、 独特の表情が溢れている。
 絶版本を探していたが、間口の狭いある文庫専門店で、待望の本をやっと見つけることができた。 昭和16年、第9刷発行、定価40銭と記してある。
 黄変し、ペーパーも薄くなった本の最終ページには、最新刊本が紹介してある。 ゲーテ「詩と真実」スゥイフト「ガリヴァの航海」里見弴「多情仏心」 樋口一葉「にごりえ・たけくらべ」。
 昭和16年といえば、太平洋戦争勃発の年である。寸分の歪みもなく、 色鮮やかに押された蔵書印の下には、たぶん蔵書番号であろう、No.863と几帳面な数字が並んでいる。 世の中が不穏になりはじめた当時、やっと買い求めた本を、何回もなめるようにして読んだであろう、 かつての読書子の姿が想像できるようだ。

 ところで、昨年、国内で出版された本は約6万タイトルだという。 60年前と比べれば、出版点数も紙質にも雲泥の差がある。しかし、身となり肉となるほど読まれる本が、 どれくらい出版されているか、かつ読まれているか、はなはだ疑問である。
 長引く不況の中、出版界も売れない本を出す所が少なくなっているという。 はたして、それでいいのだろうか。人間の知の宝庫を守るためにも図書館の役割は大きく重い。 常に背筋を伸ばしていなければ――1冊の古書を通して考えさせられた日であった。

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★ 2面(1)
「黒澤学vol.1 黒澤明とジャポニズム」

 今月号より、としょかん通信に黒澤コーナーを設け、黒澤明と彼の映画芸術について 述べたいと思います。
 それというのも、せっかく縁あってこの伊万里の地に黒澤記念館が出来るのですから 市民の方々に世界的名声を博する彼の映画芸術の素晴らしさを理解していただき、 同館へのいざないとしたいためです。

 ――1990年、黒澤80歳。この年のアカデミー賞で黒澤はアカデミー特別名誉賞を受賞しました。
 アカデミー賞はハリウッドの映画業界の賞で、業界に働く仲間が、その年自分達の中で 誰が一番素晴らしい仕事をしたかを選んで、表彰するものです。
 黒澤は日本人であるため、当然ハリウッドでは外国人。その外国人である黒澤が、 長年の世界の映画に対する貢献と偉業により、特別名誉賞を受賞したことの破格さを、 まず理解してほしいのです。
 ということは、ハリウッドにはそれだけ彼を映画監督として敬愛し、 心酔する映画人が多くいるということなのです。
 映画はアメリカで大きく成長しました。黒澤はその本場のアメリカから逆に 映画の師として仰がれるほどの人なのです。
 日本発で世界の芸術に影響を与えたケースを考えるに、これに匹敵するケースは、 絵画における浮世絵の影響をあげることが出来ると思います。
 浮世絵がマネ、ゴッホ、ドガなどの印象派の画家達に与えた影響のことをジャポニズムというのですが、 黒澤の影響下に多くの名作が生まれた現実を考えると、あながちとんでもない比較とも思えないのですが、 皆さんはどうお考えでしょう。

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★ 2面(2)
「図書館のこといろいろわかったよ」

 小学校では、3年生の社会科の授業で自分たちの住んでいるまちの施設について学習します。 山代西小学校では、図書館紹介のビデオを見て、図書館について理解を深めてもらえたようです。 お手紙が届きましたのでご紹介します。

★佐薙文ちゃん
 ぶっくんが71か所も行くとは知らなかったです。小学校や病院、幼稚園や保育園に行っています。 図書館にはボランティアをしている人もいました。すごいですね。

★前田さやかちゃん
 前の図書館は小さかったことが分かったし、いろいろなコーナーや部屋があることが分かりました。 絵を借りたりできることが分かりました。ビデオを見る前は本を借りることしかできないと思っていました。 でも、ビデオを見ていろいろ分かりました。

★島田たかのりくん
 のぼりがまの部屋がたまごみたいでした。ホールではいろいろな映画があることが分かりました。

★山本しょうこちゃん
 ホールに、赤ちゃんとお母さんとが一緒に入れる部屋があることが分かりました。

★馬場たかゆきくん
 びっくりしたのは、ホールのいすが壁に吸い込まれるところです。ぼくが知っているほかに、 いろいろな部屋やコーナーがあると分かりました。

★永尾やすあきくん
 ビデオを見て、市民のみなさんのためにいろいろな工夫がされていることが分かりました。

★高木美奈子先生
 見学に連れて行きたいと思いながらも遠いのでなかなかできず、それでビデオを見せたところ、 教科書だけでは分からないいろいろなことを勉強することができました。ありがとうございました。

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★ 3面(1)
「声のおとどけもの 対面朗読」

 目の不自由な方や高齢等で文字が読みづらい方も、図書館の資料を楽しんでいただけるような サービスがあることをご存じですか?
 今回は「対面朗読」を紹介します。

 ◎対面朗読とは・・・
 文字を読むことが困難な方と向き合って、資料を朗読します。 さらに資料の朗読だけでなく、資料案内や本の紹介、調査援助などを行います。
 対面朗読の対応に図書館の実情は十分ではありません。 4年前から、ボランティアグループ《対面朗読草ひばり》のご協力で、 毎週火曜日に対面朗読室で朗読奉仕をしていただいています。 また、図書館の資料だけでなく、ご希望の資料にも対応できるようにと日々、 朗読の練習や研修会などを続けられています。
 お1人でも、グループででもお気軽に対面朗読室のドアをノックしてみませんか。

 朗読サービス 
 日時 毎週火曜日 午前10時~午後3時
 場所 対面朗読室

 *対面朗読は無料です。
 *事前に電話予約ができます。お問い合わせは市民図書館 電話23-4646 まで。

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★ 3面(2)
「図書館視察日誌」 2月25日~4月26日

 (敬称略)
 2/25 浦安市立図書館協議会 10名
  /25 京都外国語大学・井上靖代 1名
 3/2  西条市教育委員会 2名
  /16 島原市図書館副館長 1名
  /16 大分県庄内町教員委員会 2名
  /16 国際子ども図書館 1名
  /17 長崎市美術協会 20名
  /23 熊本県大津町 1名
  /25 西日本工業大学 1名
  /26 沖縄県平良市 1名
  /28 図書館情報大学 1名
  /28 田川市図書館協議会 1名
 4/21 函館市議会 1名
  /25 図書館の学校2名
  /26 岩国市立図書館 1名

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★ 4面
「第5回図書館☆まつり もよおしのごあんない <チラシ>」
 7/7(金) 19:00~20:00
 7/8(土) 10:00~17:00
 7/9(日) 10:00~17:00

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