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平成13年5月号
・IT革命時代と図書館
・平成12年度活動報告 貸出50万5千冊
・図書館視察日誌
・寄贈 ありがとうございました
・伊万里のむかしばなし集ができあがりました

★1面
IT革命時代と図書館

 近代はスピードの時代だといえます。イギリスで起こった産業革命以降の相次ぐ技術革新や発見によって、 能率化や合理化が行われ、時間の流れが急速に早く感じられるようになりました。
 昨日のものが今日はもう古くなる。新しさが最大の価値となり、誰もが息せききって、 新しい知識や情報を吸収していこうとする。時代が現代に近づけば近づく程、 世の中は喧騒の度合いを深めていきます。

 近代以前の人々は、ゆっくりした時間の中から、ひとつの人生にひとつの価値、 ひとつの風景を信じればよかったといえます。
 しかし近代社会では、そうしたゆっくりとした時間の流れは破壊され、昨日までのものが今日はもう古いものと 捨て去られていくことになります。
 近代人は、1人で2世も3世もの時間を生きて行かなければならなくなった。そこで、 古い自分と新しい自分との自己分裂が起こってきます。
 こうした自己分裂にいち早く気づいた明治の作家に夏目漱石がいます。
 明治時代は、今日に負けない社会と文化の変革の時代だったといえますが、 そんな時代を誠実に生きる群像を描いて、今なお私たちに感動を与えてくれます。

 IT(情報技術)革命の時代を迎え、市民図書館もこの4月から、インターネット対応の新システムを 稼働させましたが、その一方で、読書会「島の会」では森田先生の「夏目漱石」勉強会を昨年に引き続き 開催します。

 不易流行ではありませんが、図書館が現代と過去の遺産との出会いの場として、 市民の皆さんの生涯学習に貢献できたらと思ってやみません。

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★2面
平成12年度活動報告 貸出50万5千冊

 市民図書館は今年で開館から5年有半を経過し、4月には図書館新システムがスタートしました。 インターネット導入による新しいサービスが始まります。これからの図書館にご注目ください。

 平成12年度の利用状況を報告します。

― 市民1人当たり8・4冊 ―
 平成12年度の貸出し人数は、12万6780人、貸出し点数は50万5746点でした。 これは市民1人当たりに換算すると8・4冊、1世帯当たり25冊になりました。
 貸出し点数を 『図書館年鑑二〇〇〇』で、全国の類似規模の自治体と比べると15位以内の数字になります。

  ― 年商13億5400万円 ―
 図書館サービスがどのくらい市民に浸透しているかを表す指標として、行政効果があります。 市民1人ひとりが50万5746冊の本を購入して読むとしたら、いくらになるでしょうか。 出版物の平均単価を2916円(出版年鑑2000より)に、年間貸出冊数を掛けると、 14億7475万円になります。この数字から図書館の年間経費1億2000万円を引いた残りが 13億5400万円、これだけの税金を市民のみなさんに1年間で還元したことになります。
  これは市民1人当たりに換算すると2万2538円、1世帯当たり6万8139円です。

― 登録者3万9412人 ―
 図書館の利用カードを作られている方は3万9493人で登録率は65・6%です。 この他、保育園や学校、福祉施設などの団体で登録されている所が282ヶ所です。特に各学校での 学級カードの登録が増加しています。学級カードは先生がクラスで借りる資料のために使用するもので、 調べ学習や学級文庫などに多く利用して頂いています。まだ学級カードを登録されていない先生はぜひご利用ください。 おすすめします。
 各地区別の登録率は大坪が62・7%、伊万里が55・3%と高く、図書館から離れている地区は 低くなっています。注目して頂きたいのは12年度から開館した黒川公民館です。黒川公民館図書室開館により 黒川地区の登録率は52・5%となり、初めて50%を超えました。前年度より4・6%の増加です。 登録率の5%増はとても大きな伸びです。各地区別で見ると、大坪、伊万里地区に次いで黒川地区が 第3番目に登録率が高くなりました。これは、身近な所に本があるという環境が登録率の増加につながったと いえるでしょう。公民館図書室など、これからのライブラリーシステムの充実に向けての第一歩です。 2年目を迎えた黒川公民館図書室をどうぞよろしくお願いします。

― 文部省委嘱事業『子どもの心を育てる読書推進事業』―
 平成11年度に続いて12年度も『子どもの心を育てる読書推進事業』の委嘱を受けました。 今回は図書館で活動しているボランティア団体のネットワーク作りを目指しながらの事業でした。 この中から、様々な動きが始まりました。いくつかの小学校、中学校で朝の時間に絵本を子どもたちに 読むという活動です。子どもたちに届けたいと一生懸命選んだ1冊の絵本です。 子ども1人ひとりにとっての「私の1冊」に出逢えるきっかけになったら…。 なにより子どもに逢いにいくことを楽しみにしている活動なのでしょう。 事業は終了しましたが、新しい動きを生み、これから輪が広がっていくことでしょう。

 インターネット予約など、様々な新しいサービスが始まります。 これからも市民のみなさんの身近な図書館としてますますのご活用、ご協力をお願いします。 みなさんと一緒に図書館も育っていきたいと願っています。 

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★4面(1)
図書館視察日誌 2/8~3/22(敬称略)

 2/ 8 福岡県柳川市図書館協議会  20名
   15 福岡県福間町図書館  2名
   20 福岡県筑後市議会  8名
   21 宮崎県都城市教育委員会  6名
   21 鹿児島県姶良町教育委員会  2名
   22 福岡県嘉穂町教育委員会  5名
   25 三宅興子  1名
   28 広島県福山市職労  10名
 3/ 6 宮崎県綾町  2名
    6 長崎県諫早市でてこいランド  8名
    7 長崎県時津町ぼちぼち会  13名
    8 鳥取市民図書館・西尾  1名
   11 福岡県立図書館  17名
   22 長崎県波佐見町子育てサークル  50名

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★4面(2)
寄贈 ありがとうございました

(敬称略)
中邑綾子
馬場健太
久保田和華子
栗田正敏
加志田恵久
豊岡哲也
田中脩一
近藤順子
伊万里市観光協会
佐賀県環境政策局長

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★4面(3)
伊万里のむかしばなし集ができあがりました

 昔話は親から子へ子から孫へと、世代を越えて、多くの人々によって語り伝えられてきた 過去からの贈り物です。
 このたび、文部省委嘱事業―伊万里子ども読書推進ネットワーク開発事業―の1つとして、 『伊万里のむかしばなし』が完成しました。ふるさとに伝わる昔ばなしが18話、 松尾テイ媼の語る昔ばなしから10話、創作ばなし2話がそれぞれ収録されています。 これは、三十会(昔話を語る会)の方が中心となって、市内在住の方々のご協力によってできたものです。 また、伊万里弁での語りを大切にしたいと、CDに録音もしています。
この本は、多くの方に読んでもらえるように、語ってもらえるようにとの願いを込めて、 市内の各小学校や中学校、各町の公民館などへ配布します。市民図書館にも所蔵しておりますので、 ぜひご活用ください。
 伊万里の昔ばなしが語り継がれていきますように…。

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