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平成21年 秋号

 
(今月の記事)
◆ 命をつなぐ「井手文庫」
◆ 伊万里市制施行55周年記念事業
第1回家読サミットin伊万里~読書で輝くまちづくり~

◆ 図書館は地域に根ざし世界に広がる場所
◆ 特別整理休館日のお知らせ
◆ 10月22日(木)と11月3日(火・祝)は開館します
◆ 寄贈ありがとうございます


★ 1面
命をつなぐ「井手文庫」

 那覇行の機内で、生後6ヶ月の赤ちゃんを連れた若い母親と隣り合わせになりました。紫色の短パンにストライプのTシャツ、高いヒールにサングラスの現代風の母親が、バッグの中から取り出したものは哺乳瓶でもおもちゃでもなく、『いない いない ばあ』(松谷みよ子/文、瀬川康男/絵 童心社)の赤ちゃん絵本でした。
 母親が膝のおさなごにそっとささやきます。「いない、いない、ばあ!」「いない、いない、ばあ!」。「ばあ!」と言うたびに赤ちゃんの手が動いて、きつねやねこの絵に触れようとします。まるまる太った足がピンピン動きます。ニコニコご機嫌でしたが、しばらくすると手も足も動かなくなり、安心したようにスースー眠ってしまいました。その寝顔の可愛いこと。
 私は思わずたずねてしまいました。「これはお気に入りの絵本ですか。」若い母親は怪訝そうに私を見ていましたが、すぐにニッコリして応えました。「ええ、どこへ行く時も持っていきます。ブックスタートでもらいました。」
赤ちゃんの心の成長にはやさしく言葉かけをすることが大切だといわれています。絵本を読んであげるのは言葉かけの方法のひとつですが、このほど二里町の井手淑子さんから、亡夫井手洋二さんの香典返しとして、ブックスタートと子どもの本の購入に80万円の寄付をいただきました。図書館ではご意思を尊重し、児童書を買いそろえ、子どものコーナーに「井手文庫」として本を並べること
にしました。
 井手さんのご主人は小児科医として、多くの子どもの命を救った名医でした。これからは本を通して、伊万里の子どもたちの心の成長を静かに見守ってくださることでしょう。


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★ 2面
伊万里市制施行55周年記念事業
第1回家読サミットin伊万里~読書で輝くまちづくり~

☆日時 平成21年10月31日(土)8:50~12:30
☆会場 伊万里市民センター(文化ホール、ホワイエ)

伊万里市では、平成19年度からモデル地区を中心に家読に取り組み、本年度からは全市での取り組みを始めています。このたび、自治体をあげて家読に取り組んでいる茨城県大子町、青森県板柳町、伊万里市の3市町の首長で家読サミットを行うこととなりました。

 8:00~  開場
 8:50~  オープニングセレモニー
 9:00~  開会
 9:15~  基調講演
          講師:柳田邦男さん
          演題:「幼き日の読み聞かせが人生を決める」
10:20~  シンポジウム(首長鼎談)
          テーマ:「読書で輝くまちづくりをめざして」
12:15~  家読サミット共同宣言
12:30    閉会

 ○玄関前には自動車図書館「ぶっくん」が2台やってくる!本を借りることがで
   きるよ!
 ○ 布のタペストリー展示
   ・絵本をもとにして作られた布のタペストリー(ボランティアグループ てんと
   う虫の家作成)
   ・歌い継がれてきた童謡の歌詞をイメージした布の作品群(前山ノブさん作
    成)
 ○古本市
   図書館フレンズいまりによる古本市。お目当ての本がみつかるかも!?
 ○わが町のPRコーナー 
   サミット参加の自治体の町の様子や家読の取組みなどを紹介します。
 ○家読おすすめの本展示・販売


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★ 3面
図書館は地域に根ざし世界に広がる場所

 9月12日(土)午前10時から市民図書館で、写真家今森光彦さんと絵本作家川端誠さんの対談「写真家の眼 絵本作家の眼」を
開催しました。この対談は文部科学省の委託「子ども読書の街づくり推進事業」の一環として開催したものです。当日は市内外から約130名が来場し、今森さんの写真集「里山物語」の美しいスライドを見ながら、本人の解説と川端さんの詳細な批評に聞き入りました。
 対談は川端さんの「僕は今森さんの大ファンなんです」の第一声で始まりました。昆虫の写真を数多く撮影している今森さんですが、昆虫はあくまで被写体であって、その先には人がいてさらに環境へとつながっている。つまり人間も自然の一部であると語られました。一方川端さんは今森さんの写真には2という数字がキーワードになっている。単に被写体が二つというのではなく、グローバルとローカル、マクロとミクロ、人間と環境、虫と環境など二つの関係性がとてもよく映っていると評されました。そのような川端さんの鋭い指摘に、今森さんが思わず苦笑いをされるといった場面もありました。
 また、「里山物語」の表紙に載せている棚田が、現在は形を残していないという話の中で、里山の保護の難しさを語られました。そこに人や昆虫の生活の空間があるからこその里山であり、人と自然が共に生きれるよう、保護していかなければならないと厳しく提言されました。しかしながら一度崩れたものも、そこに核になる人がいれば環境は元に戻ってくるものだとも語られました。
 一方川端さんは絵本「お化けの真夏日」に、今森さんの写真を基に構図を借りた絵があることも紹介されました。そして、みなさんは今森さんの写真を見て懐かしい風景といわれるが、本人は「そうではなく、未来に再構築すべき風景」だと言っている。自分の絵本もこんな暮らしどうですかという未来志向で描いています。風景が無くなっていくとか消えていくという話ではなく、今自分の足元からもう一度見直すことからはじめて、人間も自然のシステムの中で生きられるようにならなければいけないと話されました。
最後に川端さんは、暮らしが風土に根差していて、頭の中は世界に広がっていたらどんなにいいか。風土に根差して世界を見る、 それがいちばん適した場所が図書館ではないか。ぜひ伊万里の図書館をこれからも愛して、利用していただきたいと結ばれました。
 講演を聞かれた参加者のアンケートには、「川端さんのユーモラスな司会に、和やかな進行が出来たのではないかと思います。これからの生活はどうあるべきか、お二人ともきちんと考えを持って活動なさっていること、素晴らしいですね」、「お二人が作中にある風景を未来への提言とおっしゃっているのが印象的で、ハッとさせられました。失ってしまった大切な物を、ただ懐かしむだけでなく、自分の手でもう一度取り戻すことが出来るということに気づかせてくれたお二人に感謝します」などの感想が寄せられました。


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★ 4面(1)
特別整理休館日のおしらせ
10月12日(月)から10月21日(水)まで特別整理のため休館いたします

蔵書点検(資料の状況把握作業)や書架の整理などを上記の期間に行います。これは行方不明の資料を捜索したり、より利用しやすい配架を構成するための作業です。そのため、この期間は資料の貸出・予約や貸出期間の延長、また資料に関するお問い合わせには対応できない場合がございますのでご了承ください。

◆図書や雑誌の返却は「本のポスト」をご利用ください。駐車場側と子ども玄関横
の2ヶ所に設置されています。なお、CDやビデオ・カセットなどの視聴覚資料
は破損するおそれがありますので、特別整理休館後に直接窓口へお持ちください。
◆自動車図書館「ぶっくん」は通常どおり巡回します。

市民のみなさんにはご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。


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★ 4面(2)
10/22(木)と11/3(火・祝)は開館します

10月は上記のように蔵書点検をおこないますので、第4木曜日の館内整理日である10月22日を特別に開館します。 
また、11月3日は「文化の日特別開館」となります。古本市などを予定しております。
みなさんおそろいでご来館ください。


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★ 4面(3)
寄贈 ありがとうございます
             (敬称略)
・君山千鶴
・口石桜子
・池田直樹
・山口一生
・中村勝代
・北島新
・永本智美
・山本三夫
・西山茂
・金崎洋典
・中山昭男
・水上平吉


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