ブックガイド

|平成22年3月号

「ミムスー宮廷道化師」

リリ・タール/作(小峰書店)

ただひとりの跡取りとして、将来は一国の君主となるはずだった王子フローリンは、大切に育てられていた。
しかし、謀略と裏切りによって、敵国の捕らわれの身となった王子は、相手国の王の思いつきで、宮廷道化師、ミムスに弟子入りさせられてしまう。
屈辱にまみれながらも、師匠の偉大さに気づき成長していくフローリン・・・。
次々に起こる事件、スリリングな展開で、物語の世界へと引き込まれてしまう一冊。

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「周期表―ゆかいな元素たち!」

エイドリアン・ティングル/文 サイモン・バシヤー/絵(玉川大学出版部)

Au・Hg・Fe。教科書に出てくる元素記号は、なかなか頭に入りにくいものです。
しかし、この科学キャラクター図鑑の元素たちは、「ぼくは、はずかしがり屋で秘密主義者だから、めったに外出はしないよ。」Be。「元素のパーティに出てみんなと混ざるのが大好きさ」Mgなどと、特徴をかわいいキャラクターたちで示し、覚えやすくしています。
周期表って何?と思っているあなたも、ページを開いてみてください。

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「おなやみジュース」

令丈ヒロ子/著(講談社)

おなやみジュースとは、人間であれば必ず持っているそれぞれの悩みをジュースに例えたもの。量も、味も、そして飲み方も、その時のその人しだい。
コップが空になるまで飲み干すことができれば、それはとても体に良いものですが、中途半端に残したり、こっそり捨ててしまったりした時には・・・。
大人気シリーズ「若おかみは小学生」の作者が、自身の過去を振り返りながら、悩みへの向き合い方を教えてくれる1冊です。

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「幕末・維新のすべてがわかる本」

柴田利雄/監修(ナツメ社)

1853年浦賀沖に、黒船が現れてからの日本は、250年以上もの間、磐石な時代を築いてきた江戸幕府から、新時代へと一気に動き始める。
坂本龍馬・勝海舟・西郷隆盛・高杉晋作・桂小五郎など幕末の英傑たちは、何をなしとげ・何を残したのか。
その当時の事件を検証しながら、激動の時代を解説した一冊。

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|平成22年2月号

「黒魔女コンテスト」

エヴァ・イボットソン/著(偕成社)

北の大魔法使いと呼ばれる偉大な黒魔術師のアリアンは、あとつぎを育てる必要に迫られ、花嫁を見つけるための「黒魔女コンテスト」を開催します。あこがれのアリアンと結婚できると聞いて、強烈な個性を持った7人の魔女が集まって・・・・。
さあ、結婚に気の進まないアリアンは、すてきな花嫁と巡り会えるのでしょうか?
イギリスで30年以上もの間、読み継がれてきた作品です。ユニークでコミカルな登場人物たちが、物語の中へと、引き込んでくれます

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「東大の先生が実践する「ロジカル」暗記術」

西内 啓/著(ぱる出版)

いかに論理的に、能率を上げて問題を解決するか?これは、誰もが問題を前にした時に考えることです。
最小の努力で最大の成果を得るための方法を、若くして東大で教鞭をとっている著者が、自分のこれまでの体験を参考にして教えてくれます。
「カタマリ」に分けて、関連付けて覚える。文字で書く・耳から聞く・映像で見るなど、自分の記憶の得意分野を知って覚えていく、など・・。
今日から出来る実践的な記憶術が満載です。

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「トリックスターから、空へ」

太田 光/著(新潮社)

爆笑問題の太田光さんが、中学生の頃から考え続けていること、それは「私は何者なのかー。」
四十代半ばになった今も、自分の居場所を迷いながら探している人生を、政治・戦争・家族・読書など幅広いテーマから語っています。
著者の唯一の自慢は、「嘘だけは言っていない」ということ。
まっすぐな言葉が、心に響くエッセイ集です。

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「クローバー」

中西 翠/著(講談社)

テニス部の上野好葉は、中学一年生。
毎週木曜日、彼女は静まりかえった学校の図書室で、四葉のクローバーを誰にも知られないように、本にはさみ続けています。
ある日、自分がはさんだ覚えがないクローバーを見つけ、そのことが好葉の初恋へと発展していきます。
中学生のさわやかな初恋と、たどたどしい心の自立が描き出された作品です。

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|平成22年1月号

「オバマから子どもたちへ」

茂木健一郎/監訳(朝日出版社)

ノーベル平和賞を受賞したバラク・オバマ氏。昨年の大統領選挙時、「チェンジ」をスローガンとした演説は、広く世界中で話題となりました。
この本は、今年の9月に、新学期を迎えた全米の子どもたちに向けて、オバマ氏が「教育の大切さ」を語った演説の全文です。
「責任」「将来」「やり直しの機会」「がんばること」の4つのテーマによるオバマ式「学問のすすめ」に耳を傾けてみましょう。
英文と茂木氏による訳文。29分間の「教育演説」生声CD付きです

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「占い×探偵」

和希沙也/著(学研教育出版)

中国から国賓が来日する数日前に、動物園から日中友好の証であるパンダが誘拐される。
報告を受けた最年少の総理大臣・立花和彦は、かつて国難を救ったことのある占い師・早乙女幸を思い出し、早乙女家へと向かう。
しかし、幸はすでに隠居の身となり、そこには、時に天才的な占いの能力を発揮する孫娘の早乙女希がいた。
難事件に挑む希とIQ200の天才少年、総理秘書でもある立花翔の14才コンビが活躍する本格推理小説。

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「復讐専用ダイヤル」

赤川次郎/著(理論社)

お昼寝でウトウトしていた主婦の浩子は、ラジオから流れてきた「電話番号末尾<50>の方には、1万円・・・」の声に起こされます。
「先着5名様」なら急がなくては。バス停で出会った隣人の電話番号も末尾<50>。そこから2人の壮絶な1万円獲得の争いが始まります。
可笑しくもあり、身につまされるようでもある物語たち。表題をはじめショートショートの名人赤川次郎氏の罠に落ちてしまう14の作品が一冊となっています。

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|平成21年12月号

「復活の日―人類滅亡の危機との闘い」

小松左京/著(ポプラ社)

ヨーロッパで流行しだした恐ろしい“悪魔風邪”は、脅威の感染力で瞬く間に世界中に広がり、人類は、南極にいた一万人を残すのみで、死滅してしまう。しかし、人種や国を超えて、残された人々は協力し合い、悪魔風邪に効く「RSS65ワクチン」を開発する。
「日本沈没」で有名な小松左京氏が、昭和39年に書き上げた作品ですが、現在の情勢にぴったりマッチして、ドキドキの展開に引き込まれてしまいます。

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「雪だるまの雪子ちゃん」

江國香織/著(偕成社)

山のふもとの、小さなしずかな美しい村のはずれに、雪だるまの雪子ちゃんはひとりで住んでいます。
雪子ちゃんは正真正銘、野生の雪だるまです。ある日、空から降ってきて、百合子さんのお隣のあばらやに、住みつきました。
夏の間は休眠して、冬の季節だけ目覚めているのです。小さなことにも目を輝かせ、生きる喜びを体中で表現する雪子ちゃん。
著者の江國さんが、長年、大切にあたためてきたやさしいお話です。

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「戦国武将―群雄ビジュアル百科」

(ポプラ社)

戦国時代から江戸時代にかけては、数々の名将が出現しました。織田信長や豊臣秀吉、徳川家康はもちろん、武田信玄、上杉謙信、真田幸村など。
第一部の武将列伝では、69人の活躍を一人ひとりのイラストと共にわかりやすく解説しています。
また、第二部では、桶狭間の戦いなど22の有名な戦いを取り上げ、合戦図、開戦のきっかけ、背景、注目エピソードなど、読み進めていけば、たちまち日本史通になる一冊です。

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「時迷宮」

篠原美季/著(講談社)

横浜、居留地五十八番地。馬車や人力車が行きかう本町通りに面して、二階建ての洋風建築が建ち並ぶ一角に、深川芭介が経営する西洋骨董店「時韻堂」はあった。
あやしげな品々を持ち込む貫太郎。そして、貫太郎の死。行方不明の少女。芭介のまわりに事件が巻き起こる。
今年、開港百五十周年を迎えた横浜、その開港前後を舞台に地元生まれの著者が、思いを込めて描いた作品。

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|平成21年11月号

「明日につづくリズム」

八束澄子/著(ポプラ社)

島をでたい。もっと遠くに行きたい。
瀬戸内海の小さな島で育った恵と千波は、高校受験を前に、夢と現実の間で揺れ動いていた。
そんな時、恵の家が火事で燃えてしまう。
千波との友情・家族の絆、そして、ふるさとのやさしさ。
因島出身のポルノグラフティが、2005年に、島内の子ども全部を招待して行なった「凱旋ライブ」を基に、同じ島の出身である著者が描き出した、青春小説。

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「きなこ~夢をおいかける犬」

百瀬しのぶ/著(小学館)

主人公の杏子は、警察犬訓練士だった父の跡を継ぎたいと、高校を卒業すると、とても厳しいと評判の訓練所へと向かう。
そこで小さく生まれて、ごはんも上手に食べることができない3ヶ月の子犬“きなこ”と出会う。それから3年、どうしても障害物を飛び越えられずに、なかなか警察犬試験に合格できない“きなこ”は、思わぬことからタレント犬へと・・・。
しかし、落雷事故が新たな展開を呼ぶ。
実在する見習い警察犬と見習い訓練士。
人と犬との「目を見ればわかる」信頼関係が、感動の物語となっている。

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「しあわせトリック」

おかのきんや/著(ポプラ社)

大事な人の名前をど忘れしてしまったら・・・。
どうしようと思った時が「しあわせトリック」を使うチャンスです。
その人に似ているタレントの名前で呼んでみる、「以前お会いした時、そのタレントさんに似ていると思ったもので。」それで相手は大喜びです。
生活のなかの身近な出来事を、ちょっとした発想の転換で、マイナスをプラスに、ストレスを喜びに変えてしまう「知恵とユーモア」。
まんが家のおかのきんやさんが、思わぬしあわせをつれて来る37の方法を教えてくれます。

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「日本の神さままるわかり事典」

島崎 晋/著(明治書院)

「古事記」や「日本書紀」に登場するたくさんの神さまたち。
そもそもの始まりの神さまは?
近くにある神社に祭られている神さまは?
エビスさまってなに? 等など。
国土を創った神、天上の神、愛と美の女神など、それぞれの神さまを、わかりやすく紹介しています。
また、神さまが降臨する聖域である神社をよい「気」のある場所(パワー・スポット)として、霊力(ご利益)も、あわせて解説しています。

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|平成21年10月号

「モグラ博士のモグラの話」

川田伸一郎/著(岩波書店)

あなたは、モグラの絵が描けますか?
身近だけれど、土の中で生活をしているため姿を見せないモグラ。なかなか神秘的な生物です。
大学で生物学の勉強をしていた著者は、染色体の研究からモグラと出会い、謎だらけの地中生物に魅せられてしまいます。世界各地のモグラを探して旅する若きモグラ博士。
この本では、モグラの生態はもちろん、それを研究する生物学者の生態もおもしろく描き出されています。

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「イングリットの謎解き大冒険 暗い森のなかへ」

ピーター・エイブラハムズ/著(ソフトバンク クリエイティブ)

名探偵シャーロック・ホームズを愛する少女イングリットは、とびきり元気がよくて好奇心旺盛な13才の中学生です。
主人公が住むアメリカ東海岸北部コネチカット州のエコー・フォールズは景色のいいのどかな町ですが、そこで殺人事件が起こってしまうのです。しかも、イングリットのおじいさんが一人で住む農場で・・・。
大好きなおじいさんの容疑を晴らすために、イングリットは複雑に絡み合った謎解きに挑んでいきます。
主人公といっしょに、ハラハラドキドキ、そして読み終わったとき、ほのぼのとした気持ちになれるシリーズ第3弾の作品です。

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「15歳の寺子屋「フラフラ」のすすめ」

益川敏英/著(講談社)

昨年、「小林・益川理論」による物理学への貢献でノーベル物理学賞を受賞した益川さんは、京都産業大学の先生です。
この本では、益川さんがさまざまなことに好奇心を燃やして、フラフラしながら本当に自分が好きなものに出会った青春時代を振り返っています。
学校の勉強からだけでなく、世の中のことに広く関心を持って、フラフラと迷いながら大切なことを見つける「フラフラ哲学」の伝授本です。

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「世界がぼくを笑っても」

笹生陽子/著(講談社)

北村ハルトは、ギャンブル好きでいい加減な父と貧乏な2人暮らし。母は何の前触れもなく家を出て行ってしまった。
2年D組へ進級する頃、ハルトは学校裏サイトの掲示板に「浦沢中学へ最終兵器が登場する」という噂話のカキコミを発見。少しずつ、ハルトの学生生活に異変が起こり始める…。
去年の1年C組を学級崩壊に追い込み担任を精神的ダメージで病院送りにした山辺ユウキ(自称・浦中破壊神)との勝負の行方は?
個性豊かな仲間達に勇気をもらえる一冊。

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|平成21年8月・9月号

「12の怖い昔話」

スーザン・プライス/作(長崎出版)

よちよち歩きの頃から、どんなものにも怖がったことのないメアリー。暗い夜道でも平気。
そこで、村の男達は、若い娘が怖がることを 次々と考え出し、メアリーが怖がるかどうかの賭けをはじめます。そのひとつは、真夜中、教会の地下室から頭蓋骨を持って帰ること。さて、メアリーはどうなるのでしょう?
そのほかに、首なし幽霊や死神、悪魔などが出てくる、怖~い12のお話が詰まった一冊です。

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落語絵本『目玉』

山田 洋二/作(新樹社)

お江戸の日本橋。べっこう屋の大旦那さんは、梅干をひもで吊るしてご飯を食べるほどのけちん坊。その旦那さんが亡くなって四十九日、久しぶりに酒盛りでもしようと・・・。そこに医者の玄庵先生が持ってきたのは、なんと壷に入った「めだま」だったのです。
フーテンの寅さんの笑いが、ここに詰まった絵本です。

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カワイイのはクチでした「動物ω(オメガ)図鑑」

松原 卓二/写真・文 (マガジンハウス)

動物大好きなあなたに。動物のどこがカワイイですか?耳?目?肉球?・・・・。
作者は、口とその周辺を『ω(オメガ)』と命名して、そこが一番カワイイと発見したのです。
コアラ、パンダ、ウサギ、アザラシ・・・、
次から次に写し出される77の「ω」に、思わず顔がほころぶ一冊です。

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「モノレールねこ」

加納 朋子/著(文藝春秋)

デブで不細工なノラ猫。小学生の僕は、急に赤い首輪をしてきたその猫の飼い主が知りたくて、首輪に手紙をはさみ込んだ。そこから、サトルとタカキの文通が始まる・・・。
その他、ザリガニの俺を大切にし、名前まで付けてくれた家族のために、俺が泥棒を退治するはなし 「バルタン最後の日」など、大切な人との絆を描いた8の作品からなる心にしみる短編集。

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夏休み自由研究の本

「歴史地図本 大江戸探訪」

徳川家康はなぜ都を江戸に選んだのか?など

「中学生の理科 自由研究1」

洗濯の科学、植物の吸水量調べなど

「吉野ヶ里遺跡と古代国家」

発掘が語る集落、さまざまな出土遺物など

「史上最大の冒険家たち」

伊能忠敬、アムンゼン、チンギス・ハンなど

「動物たちのいのちの物語」

生物の多様性のすばらしさ、地球上の生命が絶えずに、続いていくためには?

その他にも、自由研究のヒントが詰まった本がたくさんありますよ。

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|平成21年7月号

ヘンテコで魅力あふれる三つのおはなしたち

「ごきげんな裏階段」

佐藤 多佳子/作(日本標準)

学とくるみは、古いマンション「みつばコーポラス」に住んでいる兄妹です。
 ある日、学は、住人たちはほとんど寄り付かない裏階段で、金茶色のかわいい子猫を見つけるのですが、この子猫がたまねぎ大好きのちょっとかわった猫だったのです。そして、おとうさん・おかあさんを巻き込んで大騒ぎが始まります。
 人間の言葉をしゃべる猫やクモのはなし、もくもくおばけのはなしなど、不思議な三つの物語が収められた一冊です。

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カリスマ猫2匹のすべて

「アメショっす!」

長谷川 真理/著(主婦の友社)

オスのアメリカンショートヘア「銀」のことを綴るブログ「アメショっす!」から、かわいい写真とコメントがいっぱい紹介された一冊です。
 ひなたぼっこをしていたり、ケーキを食べようと狙っていたり、極悪顔の写真には思わず吹き出してしまいます。
 「銀」の次に家族の一員に加わったメス猫「ラム」との二匹が、猫好きにはたまらない表情をみせています。

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「若いうちに読みたい太宰治」

齋藤 孝/著(筑摩書房)

今年の6月19日で生誕100年を迎えた太宰治。昭和23年に38歳で亡くなってからも、数多くの人々にその作品は、読み続けられています。
 なぜ、太宰治の小説は広く人々のこころに染み入るのでしょうか?
 『声に出して読みたいシリーズ』で有名な齋藤孝さんは、傷つきやすさとプライドの間で、命がけで言葉を刻み、いい作品を書きたいとあがきながらも、絶望する姿が、十代の青春の悩みと似ているのではないかと述べています。
 人生の壁に打ち当たった時に読みたい『斜陽』『富嶽百景』などの18作品が、わかりやすく解説されています。

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「アン先生、急患です!」

福田 隆浩/著(講談社)

 田舎町の小さな診療所で、真っ赤なカーリーヘアをした女医さんが大活躍。
 古株の看護師さんからは、いつも怒られている程の自由奔放な人なので、周囲の人をハラハラさせているけれど、事件が起きる度に「アン先生」の大ファンはどんどん増えていきます。
 「赤毛の女医 アン」に続く本書では、ログハウスやツリーハウスで巻き起こる事件をめぐって、新人看護師ひとみちゃんの目を通した元気で、やんちゃだけれど、とても暖かい人柄のアン先生が生き生きと描き出されています。

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|平成21年6月号

「ホテル・フォー・ドッグズ」

ロイス・ダンカン/作(主婦の友社)

父親の仕事の都合で、おばさんの家に預けられることになったブルースとアンディの兄妹は、新しい学校で友達がうまく作れなくて、悩んでいた。
  そんなある日、ずぶぬれになって震えていた犬と出会い、こっそり連れて帰るが、両親に飼うことを反対されてしまう。
  なんとかその犬を助けたい二人は、近くの空き家で、捨て犬ばかりを住まわせる「犬のホテル」を考え出したが、犬たちがどんどん集まってしまってさわぎが起きてしまう。
  動物への子どもたちの愛情が暖かく描かれたオモシロい小説です。

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「東大合格生のノートはどうして美しいのか?」

太田 あや/著(文藝春秋)

授業や自習の時に書くノートは、どのようにしたら、わかりやすく、きれいに作り上げることができるでしょうか?
 東大に合格した人たちのノートを集めた第一弾の本に続いて、今回は、ノーベル賞受賞者や、夏目漱石や芥川龍之介など文豪のノート、社会人の手帖なども取り上げられています。その中でも特に、石川啄木の隅々まで自分でデザインしたロマンチックなノートには、その美しさに驚かされます。
  たくさんのいろいろなノートを見ながら、自分独自の美しいノート作りの参考になる一冊です。

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権力と戦い続ける少年たちの物語

「水深五尋」

ロバート・ウェストール/作(岩波書店)

 イングランド北東部の小さな港町で暮らしているチャスは16才。
 空襲がひんぱんにあっている第2次世界大戦時の夜、彼は、貨物船がUボートに撃沈されたのを目撃してしまう。そして翌朝、その浜辺で発信機らしきものを発見して・・・・・。
 興味半分で始めたスパイ探しは、良家のお嬢様シーラや幼なじみのセムも巻き込み、大事件へと発展していく。
 また、この作品では「ウェストールの作品は、この醜い世界と戦い続ける勇気と失われたものへの愛情に満ちていて、すてきです。」と絶賛する宮崎駿さんが、表紙とさし絵を担当している。

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ダヤンのスケッチ紀行

「パリと南仏ねこ歩き」

池田 あきこ/著(エム・ピー・シー)

 わっちふぃーるどに住んでいる猫のダヤンが「世界こねこ会議」に招待されて、小さな白猫バニラといっしょにパリにやって来ました。
 架空の世界にいる猫たちが、にぎやかに本物のパリから南仏を旅しています。
 ノートルダム寺院やモンサンミッシェル、 プロヴァンスからコートダジュールへと、ダヤンといっしょに地理の勉強もできます。
 おまけの「カフェde スケッチ」では、ボールペンや色鉛筆で、人物や風景を上手に描ける方法も教えてくれますよ。

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|平成21年5月号

「ありがとう」

石津 ちひろ/作 メグ ホツキ/絵(イースト・プレス)

うたをうたってくれて ありがとう
おなじはやさで あるいてくれて  ありがとう
はなのなまえを おしえてくれて ありがとう

大切な人に伝えたい、たくさんのたくさんの「ありがとう」。
なにげなく過ごす日常の中で、暖かい気持ち見つけた!!
メグホツキさんの、ほのぼのとした水彩画が美しい一冊です。

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「受験国語が君を救う」

石原 千秋/著(河出書房新社)

あなたがいつの日にか受けることになるだろう受験国語。それが、高校受験であっても、大学受験であっても、楽しく受けることができれば、どんなにステキでしょう。
早稲田大学教授の石原千秋さんは、自分の中に、二人目、三人目の自分を見つけることが、社会とつながった自分を自覚することで、大人の人間になれる基礎であると語っています。
「人生の役に立つ」受験国語で、しかも点を取る方法がたくさんつまった、14歳の世渡り術の本です。
この他にも、「みえない未来相談室」「復讐プランナー」「勝てる読書」などのシリーズ本がありますよ。

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「まるまれアルマジロ」

安東 みきえ/作(理論社)

森にぽつんと落ちていた卵は、ちょうど通りかかったオオカミに、あたためてもらって生まれます。小鳥はオオカミを、親のように慕い、ゆで卵にして食べようとしていたオオカミも、小鳥に愛情を感じるようになり。
ヘンテコな一匹と一羽は、それぞれに、本当に大切なものは何かを探しはじめます。 そして、自分探しの旅が終わったとき・・・。
その他、卵を失くしただちょうの夫婦の前で、卵のようにまるまったアルマジロの話。フコウノトリにならなくてすんだ心配症のコウノトリノ話など、「卵があった。」で始まる5つの物語。
幸せに必要なものは愛?信頼?お金?自分を見つけるための、幸せの本です。

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「国境まで10マイル」

デイヴィッド・ライス/作(福音館書店)

アメリカ合衆国テキサス州の最南部に暮らす、メキシコ系のひとびと。
メキシコの国境まで、わずか10マイルのところ。アメリカとメキシコとの二つの文化をあわせ持った大人が、ティーンエイジャーが、個性豊かで、人情味あふれる生活を営んでいます。
学校でのダンスパーティ、バレンタインデー、アメフトの試合、チヤリーダー・・・・。
コーラとアボガドの味がする、ヒリヒリと熱く、パチパチはじけて、ちょっと哀しい小説です。

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|平成21年4月号

団地に伝わる”ボタン“のひみつ

「すりばちの底にあるというボタン」

大島 真寿美/著(講談社)

晴人は父親がある日突然いなくなってしまい、今は浪子おばあさんが住む「すりばち団地」におばあさんと、シュンおじさんの3人で住んでいます。そんな晴人がシュンおじさんから聞いた、すりばち団地のヒミツ・・・すりばちみたいなこの団地の底にはボタンがあって、このボタンを押すと夢がかなうというのです。
ボタンを探しはじめた晴人でしたが、その途中で出会った同じ団地にすむ薫子と雪乃。二人が言うには、そのボタンを押すとすりばち団地が沈むというのです。同じ団地に伝わる全く違う伝説。とにかくボタンを探そうと雪乃のお兄さんの邦彦も仲間入りし探しはじめます。すりばちのボタンは見つかるのでしょうか?

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男性を救ったのは、恋人とバスケットボールでした。

「パラレル ‘08年北京パラリンピック日本選手団主将
京谷和幸の物語」

京谷 和幸/原案 別府 優希/訳(祥伝社)

Jリーガーの和幸とチアガールの陽子。二人は和幸の一目ぼれからはじまり、順調に交際をスタートさせ、結婚することになりました。幸せいっぱいの二人。ところが、悲劇は突然やってきます。式前日に和幸が事故に巻き込まれてしまいました。
手術で一命はとりとめましたが、脊髄損傷で下半身不随という運命が二人を待ちうけていました。打ちのめされる和幸。陽子はそんな和幸の妻となり、懸命に支えますが、あんなに好きだったサッカーができなくなった現実が和幸に重くのしかかっていました。
そんな和幸がであったのが、バスケットボール「車イスバスケットボール」だったのです。

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星新一が好きなあなたに贈る短編集

「闘技場 フレドリック・ブラウンコレクション」

フレドリック・ブラウン/著 星 新一/訳(福音館)

「ショートショートの神さま」と言われている作家星新一。亡くなられましたが、いまだに人気の高い作家の一人です。中学生の中にもファンは多いのではないでしょうか?
もし、星新一を読んでしまって、次の作家を探している人がいるなら、次は外国の作家はどうですか?おすすめしたいのがこの作家です。
フレドリック・ブラウンはアメリカの作家で、SF黄金時代を代表する作家の一人です。星新一と同じく短篇の名手といわれています。人類の命運をかけ、宇宙でたった1人敵と戦う男を描いたブラウンの代表作「闘技場」
孤独な科学者と、科学者の手によって宇宙にいったネズミとの少しせつない物語「星ねずみ」など、この本では、フレドリックの短篇の中から選りすぐりの14のお話しを掲載しています。
短編集なので、どの作品から読んでも楽しめます。 朝の読書の時間や、勉強の合間にぜひ手にとってみませんか?

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人気シリーズ いよいよ完結!!

「妖怪アパートの幽雅な日常」

香月 日輪/著(講談社)

「トワイライト 13」

ステファニー・メイヤー/著(ヴィレッジブックス)

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